前歯が抜けました
とある日の急患のおはなし
前歯が抜けてしまったということで
当院を受診されました
かなりの放置している口腔内
臼歯部は残根が3本
カリエスでほとんどの歯がボロボロ
通常であれば、
「前歯が抜けてしまって大変でしたね。
見た目がとても気になると思いますので、
急ぎ見た目を治していきますね」【見た目】
と、シェルテックをつけて
次回治療計画といった流れになります。
ただ、
当院ではカウンセラーによるカウンセリングを行っているので、
しっかりと問診を行い
患者さんの本当の主訴を引き出してから治療をしていきます。
そこで衝撃の事実が判明!!
なんと、この患者さんの主訴は
歯が抜けて見た目をどうにかして欲しい【見た目】
のではなく、
歯が抜けて喋りづらいのでどうにかして欲しい【発音】
でした
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前歯がないので私は見た目に困っていると【思い込んで】いましたが、
カウンセリングで違うことがわかりました
今回の学びのポイントは
【思い込みで決めつけてはいけない】ということです
・営業マンの患者さんなので見た目重視で話を進めていこう
・口腔内が崩壊している放置タイプなので、どうせ来なくなるだろう
・ホワイトニング希望の患者さんはセラミックになるだろう
と、決めつけて話を進めていくと
失敗をすることがあります
営業マンで診療に来るときは仕事帰り
スーツをピシッと決めている
保険証も見てもしっかりとした企業だ
これはセラミックでしっかりと治療を受けてくれると思い、
丁寧に治療をして説明も行い
時間をかけてすすめていった
そして、いよいよ
補綴コンサルをしようとすると、、、、
「あ、銀歯でいいです。
別に自費の良いものでなくて大丈夫ですよ」
と、説明するまでもなくあっさりと断られる
髪型はボサボサ、ジャージでいつも来院する
初診時に口腔内をチェックするとMTが2本あった
話をしていても聞いている素振りもあまり見せない
どうせMTもそのままだろうと思って
特にMTコンサルもせずに終わろうとすると、、、
患者さんの方から
「先生、歯がないところにインプラント入れたいんだよね。
いくらぐらいするの?」
口腔内は銀歯だらけ
臼歯部はFMC・Inが何本もあり、
2次カリエスが多発している
上顎前歯部のCRに褐線もある
見た目を気にしそうなタイプではなさそうだ
右下4の形成
院内は忙しかったので
特に補綴コンサルをすることなく形成・印象
FMCをセットしようとすると、、、、、
「先生、これなんだよ!!(怒)
こんな見えるところに銀歯なんておかしいだろ!!
作り直せよ!!」
実際、これら全て私の実体験です。
少なからずこういった経験を院長先生はされていると思います
しっかりと患者さんと会話をして向き合わないと、
こういったすれ違いが起きてしまうのです
これは患者さんが意思表示をしてくれたので分かったのですが、
何も言わずに心に溜め込んでいる患者さんもきっといらっしゃいます
今後はこういったことをできるだけ少なくしていこうと、
カウンセリングをしっかりと行い
患者さんの本音・考えを聞き出してから
治療計画を立てるようにしました
そのおかげで、
患者さんからのクレームは少なくなり
より良い治療を求めている患者さんにだけフォーカスすることも
できるようになりました
【しっかりと話を聞く】
忙しい中だと院長先生が対応することは難しいもあります
そういった場合には、
スタッフさんにお願いをして詳しくお話を聞いてもらえると
院長先生の時間を取られずに患者さんの詳細を確認することができます
スタッフ教育を行い、問診を詳しく取れるようにして
考え・価値観を聞いていくと
患者さんからの信頼もあつくなっていくと思います