新人さんの石膏注ぎ
院長先生もご存知のとおり、
石膏注ぎはスタッフさんに頼まなければならない
とても重要な医院の仕事になります
院長先生自ら石膏注ぎをやってしまうと
時間がいくらあっても足りなくなってしまいますので、
しっかりと教育・指導をして
石膏を注げるようにしないといけません
(もちろん、こだわりがあるケースは自分で注ぐ先生もいらっしゃいます)
ただ、
石膏に気泡が入ったり
模型を印象から外すときに割れたり
ミスが起きてしまうと患者さんに再来院をお願いしないといけなってしまいます
こちらの都合で患者さんに再来院をお願いすることは、
医院への信頼を大きく失ってしまうかもしれません
ですので、
スタッフさんには技工物の再製をしないといけないようなミスが起きないように
気泡が入らないように石膏を注いで
模型が割れないように慎重に外して欲しいのです
そのためには、
石膏を注ぐことに緊張感をもって集中しながら取り組む必要があります
「まぁ、適当に石膏注いでも
ちょっと気泡入るくらいなら大丈夫でしょ」
といった気持ちでは良くないのです
ただ、石膏を注ぐことに集中して丁寧にしすぎて
時間がかかりすぎても医院としては困ってしまいます
ですので、
注ぐ時間がかかればかかるほど
スタッフさんが1人いなくなってしまうので、
注ぐ時間は短い方が良いです
一個ずつ丁寧に注ぐのではなく、
いくつか一気に注いで時間短縮もして欲しいわけです
また、スタッフさんが少ない医院では
石膏途中で患者さんからの電話に出なければならないこともあります
石膏を注ぎながら、電話対応をする必要もあったりします
アルジネートの変形があまり起きる前に
早めのタイミングで石膏も注いで欲しい思いもあると思います
さまざまな状況下で、
石膏は注がないといけないのです
ただ、時間を短くしすぎようとしてしまうと
気泡が入ってしまう可能性が高くなります
アシストを優先したり、電話対応がひっきりなしになってしまうと
石膏を注ぐタイミングが遅くなってしまうこともあります
注ぐ時間を短く、
印象を取ってからできるだけ早いタイミングで
そしてミスが起きないように注意深く石膏を注いで欲しいのです
そのためには【精度の高い練習】を【頻回】に行う必要があります
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器用なスタッフさんであれば
石膏注ぎはわりと早めにキレイにできるようになります
ですので、
早期に合格を出していくこともできるのですが、
最初は厳しめにチェックしていきます
技工物作成にはほとんど影響がないですが、
形成部分から全然離れている歯肉の場所に極小の気泡があっても
「気泡がここに入っているよ」と探針で指し示して
「次、がんばってやってみよう!!」
と再練習をしてもらうようにします
正直、全然合格を出しても良いのですが、
【細かいところまで気を使って注いで欲しい】
ということを体感して欲しいので
細かいところまで指摘をしていきます
そして、次に石膏模型をもってきた時も
事細かにチェックして、
もし厚みが足りないようであれば、
「印象材から石膏を外すときに
石膏模型が割れないようにもっと厚みを出しましょう」
と伝えて、再度石膏を注ぐ練習をしてもらいます
しっかりと練習で完璧な石膏模型を作ることができるようになったら
実際に患者さんの対合から石膏を注いでもらいます
そして、対合模型が完璧に注げるようになったら
本印象を注いでもらうようにします
本印象を完璧に注げるようになったら
対合と本印象を同時に注いでいけるようにしてもらいます
このようにすぐに合格を出すのではなく、
ハードルを高く設定して
1ステップずつクリアーさせていきながら
ミスなく同時に何個も注げるようになっていきます
そして、注ぐことが慣れてきたタイミングを見て
時間を意識するように伝えていきます
このような流れで石膏注ぎを教えていくと
精度が高く、スピーディーに石膏が注げるようにレベルアップしていけます